軌道工の仕事や作業の省力化に向けた機械化について
ご紹介します
線路とは、「バラスト(レールや枕木を支え、クッションの役割を果たす)」と、「枕木(列車の荷重を効率よくバラストに伝える)」、そしてその上を列車が走る「レール」で構成されています。
線路は列車が走るたび、「枕木」が劣化し、「バラスト」が砕け、「レール」が磨耗し歪んでいきます。そこで必要となるのがこれらを交換、修繕するメンテナンス工事です。
列車の安全を守るためには、線路が常に良好な状態に保守されていることが必要です。そのため、様々な測定器具を使用して検測し、線路のゆがみを調べ、正常な状態を保つようにメンテナンスしています。
線路のゆがみを直すには、ミリ単位での精密な精度で整備を行っています。タイタンパーという器具や、軌陸バックホウを利用して、枕木下面の道床をつき固めることにより整備しています。
レールは、列車が直接触れているので少しずつ摩耗し、傷がつき劣化していくため定期的に交換が必要となります。交換については、部分的にレールを交換するものから、専用のレール交換器で数百メートルを一度に交換するものまでさまざまな方法があります。
枕木は主にコンクリートや木でできています。レールから伝わる列車の重さや振動を支えていることで劣化するため、定期的な交換が必要となります。交換は、枕木をつかむ専用アタッチメントを取り付けたバックホウを使用して作業を行い、技能者による細やかな技術で仕上げていきます。
枕木を支え、列車通過時の荷重や衝撃を分散させる役目を持つ線路の敷石「道床バラスト」の交換は線路保守において重要な工事のひとつです。軌陸バックホウや軌陸ダンプを用いたオーソドックスな施工方法に加え、山陽新幹線では大型専用機械(バラスト作業車:NBS)を用いた施工も行っています。
「単線区間の複線化」や「駅への乗り入れに伴う大規模配線変更」などにより新たに線路をつくることや、これまでの線路につなげるなど、街に新たな線路をつなげる線路切替工事を行っています。大型のクレーンや軌陸バックホウを何台も使用して行うため、時には数百人規模になる場合もあります。
分岐器とは、一つの線路を二つ以上の線路に分けるための線路のこと。たとえば、新たな線路を駅に引込むためには新たに分岐器を設置する必要があり、そのためあらかじめ組み立てた分岐器をわずか数時間で設置します。時には数百人規模になる場合もあります。
いまや日本の動脈ともいえる新幹線は、世界でもトップクラスの高速運転と安全性を誇っています。そのため新幹線軌道の設置はミリ単位の精度で敷設しています。