JOB DICTIONARY
線路のお仕事図鑑

軌道工の仕事や作業の省力化に向けた機械化について
ご紹介します

- 牽引式レール交換機編 -

Q1牽引式レール交換機って、どんな機械?
A レールは使用していくうちに歪みや傷が生じるため、定期的な交換が必要となります。古くなったレールを回収し、同時に新しいレールを設置できる画期的な機械が牽引式レール交換機です。
Q2機械が導入される前は、どうやって交換していたの?
A交換機が開発されるまでは、レール交換は全て手作業で行っていました。レールを吊上げる器具を「人力」で15mごとに並べて換えていく、まさに重労働。それが機械化されたことで、作業の負担は大幅に軽減されました。
Q3どうやってレールを交換するの?
A牽引式レール交換機をレールにセッティングすれば、自動で古いレールを拾い上げながら、新たなレールがセットされる仕組みになっています。大鉄工業では、従来のものより本体重量が軽く、レールを吊り上げる高さを可能な限り低くした牽引式レール交換機を開発。さらに作業しやすく、安全性の高い牽引式レール交換機をめざして、日々、研究を進めています。
Q4どのくらいの距離のレールを交換できるの?
A地域により作業できる時間は異なりますが、一晩で800mほどのレール交換が可能です。限られた時間の中で施工する保線作業は、器具搬入などの時間を短縮し、いかに実作業の時間を確保するかが重要。当社の新型機は、セット時間を短縮できる設計となっているため、より多くの時間を実作業に充てることができます。
Q5働く人の環境などは、どう変わった?
A大きな変化としては2つあります。1つは、やはり作業者の負担が減ったこと。前述したように、重労働の多くを機械が担ってくれるからです。そして2つ目は、作業環境全体の機械化が進んだということです。以前は機械でレール交換を行うということに対して、作業が複雑になるのではないかと不安に思う作業者もいました。しかし、使ってみると意外に使いやすく、スムーズに作業が進行。その結果、今では作業の機械化へ抵抗感を持つ人も少なくなり、機械での施工が定着していきました。作業者の負担を軽減するために、こうした機械化を進めることは非常に重要だと考えています。

- 線路をなおす -

01線路の構造

線路とは、「バラスト(レールや枕木を支え、クッションの役割を果たす)」と、「枕木(列車の荷重を効率よくバラストに伝える)」、そしてその上を列車が走る「レール」で構成されています。

02線路は生きている【線路のメンテナンス】

線路は列車が走るたび、「枕木」が劣化し、「バラスト」が砕け、「レール」が磨耗し歪んでいきます。そこで必要となるのがこれらを交換、修繕するメンテナンス工事です。

03線路のゆがみを調べる【軌道検測】

列車の安全を守るためには、線路が常に良好な状態に保守されていることが必要です。そのため、様々な測定器具を使用して検測し、線路のゆがみを調べ、正常な状態を保つようにメンテナンスしています。

04ゆがんだ線路を直す【軌道整備】

線路のゆがみを直すには、ミリ単位での精密な精度で整備を行っています。タイタンパーという器具や、軌陸バックホウを利用して、枕木下面の道床をつき固めることにより整備しています。

05傷んだレールの取り換え【レール交換】

レールは、列車が直接触れているので少しずつ摩耗し、傷がつき劣化していくため定期的に交換が必要となります。交換については、部分的にレールを交換するものから、専用のレール交換器で数百メートルを一度に交換するものまでさまざまな方法があります。

06傷んだ枕木の取り換え【枕木交換】

枕木は主にコンクリートや木でできています。レールから伝わる列車の重さや振動を支えていることで劣化するため、定期的な交換が必要となります。交換は、枕木をつかむ専用アタッチメントを取り付けたバックホウを使用して作業を行い、技能者による細やかな技術で仕上げていきます。

07傷んだバラストの取り換え【道床バラスト交換】

枕木を支え、列車通過時の荷重や衝撃を分散させる役目を持つ線路の敷石「道床バラスト」の交換は線路保守において重要な工事のひとつです。軌陸バックホウや軌陸ダンプを用いたオーソドックスな施工方法に加え、山陽新幹線では大型専用機械(バラスト作業車:NBS)を用いた施工も行っています。

- 線路をつくる -

01街に新たな線路をつなげる【線路切替工事】

「単線区間の複線化」や「駅への乗り入れに伴う大規模配線変更」などにより新たに線路をつくることや、これまでの線路につなげるなど、街に新たな線路をつなげる線路切替工事を行っています。大型のクレーンや軌陸バックホウを何台も使用して行うため、時には数百人規模になる場合もあります。

02駅に新たな線路を引き込む【分岐器全交換】

分岐器とは、一つの線路を二つ以上の線路に分けるための線路のこと。たとえば、新たな線路を駅に引込むためには新たに分岐器を設置する必要があり、そのためあらかじめ組み立てた分岐器をわずか数時間で設置します。時には数百人規模になる場合もあります。

03日本の動脈をつくる【新幹線軌道新設】

いまや日本の動脈ともいえる新幹線は、世界でもトップクラスの高速運転と安全性を誇っています。そのため新幹線軌道の設置はミリ単位の精度で敷設しています。